雨にも負けぬパリ五輪聖火トーチ、部品の要は日本製 東京大会も担当
7月26日に開幕するパリ五輪・パラリンピックの聖火リレーで使われるトーチの要となる部品の製作が、日本で大詰めを迎えている。炎を生み出す燃焼部とボンベを手がけるのは、東京五輪・パラも担当した社員数約90人の中小企業だ。エベレスト登山などで培った火をともし続ける技術が、パリへつながった。
この会社は燃焼器具メーカー「新富士バーナー」(愛知県豊川市)。2022年8月、パリの大会組織委員会から打診があり、翌年1月にトーチの「心臓部」である燃焼部2千本分とボンベの開発製造を任された。
パリ大会のトーチはシャンパン色で、全長70センチ、重さ1・5キロ。燃料はバイオプロパンガスで、燃焼部は毎時60キロの突風や毎時50ミリの雨にも耐えられる性能だ。トーチ先端部の横に細長い穴があり、聖火をともしたトーチを手に走ったり風を受けたりすると、炎が「旗」のようにたなびく。
山本晃社長(67)は「デザイン先行で、最初は無理だろうと思ったが、(社内の開発)チームがハードルを乗り越えてくれた。東京大会で培った技術がパリにいかせた」とふりかえる。
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