奄美の外来植物、侵略的26種を選定 防除へ環境省が優先度リスト
環境省は、世界自然遺産の奄美大島(鹿児島県)に侵入している外来植物の防除作業を進めるための優先度リストを作った。分布が広がり、生態系への影響が危惧される侵略的な26種を選定。早期の対策が求められる順に4ランクに分け、防除に取り組むための基礎的な情報を掲げた。
環境省奄美群島国立公園管理事務所(同県大和村)によると、島に侵入しているとみられる外来植物は383種。このうち生態系に被害を及ぼすとされる侵略的外来種は73種が確認されている。
島の自然環境保全のためには外来種の排除が課題とされ、昨年から同省や県、市町村、民間団体などが外来種の分布や与える影響などの情報を共有し、優先的に防除に取り組む種のリスト作りを進めていた。
リストでは、分布する範囲が狭く、防除作業により排除が見込まれる種の優先度を高くした。確認できている分布エリアや特徴、影響、根絶の可能性なども掲載。優先度が最も高い「島内からの排除を目指す種」には、オオフサモやツルヒヨドリなど9種を挙げている。在来種との競合や農業被害などがある一方、分布エリアは限定的で、積極的な作業により島からの根絶を目指す。
アカギなど6種は「場所を限定して局所的な防除を進める種」に分類した。島内に広く分布するが、世界遺産地域や国立公園などで早急な対策が必要なものだ。「新たな拡散を防止する種」は9種、「情報収集する種」は2種を掲載した。
同省は新たな外来種の侵入が確認されたり、すでに侵入した種の影響が深刻化したりする場合などに備え、リストを定期的に見直す。新たな分布エリアを発見した場合の情報提供や、防除作業をした場所や範囲などの記録、共有なども求めている。
同事務所の阿部慎太郎所長は「防除作業を一過性で終わらせるのではなく、どこで何の種を排除するのかを考えるためのリストとして活用してほしい」と期待する。リストは奄美野生生物保護センターのホームページで公開している…
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