民主主義の危機の源は古代ギリシャに トランプ現象で佐伯啓思さん
佐伯啓思の異論のススメ・スペシャル
米大統領選挙はまだ半年ばかり先であるが、すでに、トランプ現象が再来しつつあるようだ。再び現職の民主党バイデン大統領との対決になることが確実な情勢だ。
すでに両候補ともに、「相手は民主主義を破壊する」といっているのが少し面白い。バイデン氏は、前回大統領選の結果を認めないトランプ氏に対し、民主主義の破壊者と批判し、一方トランプ氏は、バイデン氏側が、司法を政治的圧力として利用していると批判し、民主主義の破壊だという。
前回の2020年の大統領選挙でも「民主主義」が争点となった。トランプ氏が表面に出てくると、常に「民主主義を守れ」といった言葉が飛び交うのは、まさにこの人物の特異なキャラクターのなせるところであろう。
と、ひとまずいうことはできるが問題はそれほど単純ではない。いくら「民主主義の破壊者」と呼ばれても、トランプ氏はまったく意に介さず、様々な批判や司法的な嫌疑にもかかわらず「復活」してくる。この「トランプ現象」を前にすれば、改めて「民主主義とは何か」と問いたくもなってくる。
フェイクの霧のなかをさまよう政治
私が関心をもつのは、「フェイク」と民主主義の関係である。
「フェイク」とは捏造(ねつ…
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