公文書は国民共有の知的資源 公開を前提に公務員の意識改革を
公文書は健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源――。公文書管理法はそううたっている。しかし、その趣旨に沿わない運用が目立つ。国民の知る権利に応える公文書管理のために何が必要か。国民の知る権利を侵す懸念のある特定秘密保護法との関係は。長野県公文書審議会委員として公文書管理の改革にも取り組む龍谷大学准教授の瀬畑源さんに聞いた。
――天皇制の研究者がなぜ公文書問題に。
「大学院時代、現上皇の皇太子時代を研究していました。ちょうど公文書管理法に先立って2001年に情報公開法が施行されたころです。皇太子が中高生のころの地方旅行について調べていて、関連資料の公開を請求しました。ところが、旅行先はわかりますが、そこを選んだ理由がわかる記録はでてきませんでした。宮内庁の担当者からは『それは残す必要がないので捨てます』と言われました」
「行政にとっては今後必要になるのは基本的に結果であり、途中経過は必要がない。一方、こちらはどのように決まったのかを知りたい。行政とこちらで残したい文書にずれがあり、そこに興味を覚えました」
――どこに問題が。
「関連資料を残さずに結論の…
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