熊本知事選、推薦候補勝ったけど 自民に裏金問題「ボディーブロー」

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大貫聡子

 「情勢は横一線。もうひとがんばりしよう」

 熊本県知事選も中盤となった18日夜、自民党熊本県連は緊急の選対本部会議を開いた。

 その席で重鎮県議の前川收会長が集まった県議にげきをとばした。

自公推薦の木村敬・前副知事(38万3010票)が幸山政史・前熊本市長(28万7750票)らを破った熊本県知事選。その舞台裏の報告です

 直前には報道各社の情勢調査が、自民と公明党が推薦する前副知事の木村敬氏(49)と、複数の野党が支援する前熊本市長の幸山政史氏(58)の接戦を伝えていた。

 熊本は衆参選挙区の議席を自民が独占。県議会の議席の7割を占めるなど、自民が強い地盤を持つ。それだけに接戦の報は激震だった。

 会議後、部屋から出てきた県議が抱えていたのは巨大なポスターの束。参加した県議によると、渡されたのは「投票へ行こう!!」と書かれたものだった。「今あるものをはがして、その上に貼ってくれとの指示だった」と話す。

 「今ある」ポスターとは、地元選出の国会議員や県議と、木村氏が並んだ2連ポスターだった。

 副知事だった木村氏は、4期16年務めた蒲島郁夫知事が今期での引退を表明した後、自民の要請で立候補を表明した。ただ、東京都出身で元総務官僚の木村氏は知名度不足が課題だ。2連ポスターを各地に貼り、浸透を図っていた。

 ところが、自民党派閥の裏金問題をめぐる逆風が直撃した。

野党が集会「不適切にもほどがある!」

 ある陣営関係者は自民議員と…

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この記事を書いた人
大貫聡子
くらし報道部
専門・関心分野
ジェンダーと司法、韓国、マイノリティー