人新世、地質年代にならず 否決でも学会「広く使われ続ける概念」

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矢田文
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 人類が地球環境を激変させた1950年代以降を「人新世」として新たな地質年代にする提案が、正式に否決された。今月初めまで国際地質科学連合(IUGS)の小委員会で投票が行われ反対多数となった。結果の有効性が問われていたが21日付で、IUGSが正式に否決を認めた。

 地質年代とは、約46億年の地球の歴史を、地層の特徴に応じて区分するものだ。現在は新生代第四紀の「完新世」と呼ばれる地質年代にあたる。最後の氷期が終わった1万1700年前から続いている。

 地質年代を決めるIUGSは、人新世を地質年代にすべきか議論する下部組織「人新世作業部会」を2009年に設置。10年以上にわたり議論を重ね、昨年7月、人新世を正式に地質年代に提案することが公表された。ただ、複数の上部委員会で賛成を得る必要があった。

 IUGSの発表によると作業…

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この記事を書いた人
矢田文
科学みらい部|原子力・災害担当
専門・関心分野
いきもの、環境問題、沖縄、依存症