「オレは勝つ。でも、それでいいのか」 検察に壊されなかった人生
地検特捜部に逮捕・起訴され、無罪となった経営者が国の責任を問うて裁判を起こした。取り調べの暴言を告発し、検事4人を出廷させ、そして――。大弁護団で闘えるのはたまたま資金と余裕があったからで、「普通は人生を壊される」と語る。21日、賠償責任の有無を先に示す「中間判決」が言い渡される。
「間違ったのは国の機関なので、民間より厳しい反省、再発防止策が当然あると思っていた」
「プレサンス事件」をめぐり、無罪となった山岸忍さん(62)。国家賠償請求訴訟を起こしたのは、「検察は何もしないでしょう」と元検察官の弁護士から言われたからだという。
「違法捜査で精神的苦痛を受けた」と訴え、3年前の2022年3月に提訴した。
まず問題視したのが取り調べだ。検察は、山岸さんの元部下(有罪確定)が「山岸さんも共犯」と供述したことを有罪立証の柱にした。だが、元部下はこの供述を覆そうとしていた。それを抑え込んだのが検事の暴言だった。
プレサンス事件
大阪地検特捜部が2019年に摘発した業務上横領事件。学校法人の元理事長が不動産会社「プレサンスコーポレーション」の元社長・山岸忍さんの元部下らと共謀し、法人の土地売却益から21億円を着服したとして有罪が確定した。山岸さんも共謀したとして逮捕・起訴されたが、大阪地裁が21年に無罪とし、確定した。
実態を知ったのは、248日間に及んだ勾留中だ。
検察から開示された計140…
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- 【視点】
〈大弁護団で闘えるのはたまたま資金と余裕があったからで、「普通は人生を壊される」と語る〉。これは本当にそう思う。 これだけ全国的に、検察・警察の違法な取り調べや捜査が明らかになっている今、もはや、これらの組織には、自浄能力も、その意志も無
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