謎の特ダネ、殺人…ロシアの偽情報が巧妙化 否定されても続編で適応

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スティーブン・リー・マイヤーズ/The New York Times 翻訳=城俊雄/朝日新聞

From Russia, Elaborate Tales of Fake Journalists

 昨年8月、ムハンマド・アラウィを名乗る若い男性の動画がYouTubeに投稿された。エジプト調査報道に取り組むジャーナリストだという彼は、大スクープを自ら発掘したという。ウクライナゼレンスキー大統領の義母が紅海沿岸のリゾート地エルグーナで、俳優のアンジェリーナ・ジョリーさんの別荘の近くに別荘を購入した――。そんな内容だった。

 この話がウソであることは後に判明した。ウクライナ政府も、この別荘の所有者も、そのような事実はないと否定した。アラウィと名乗る男性がジャーナリストだと主張したこともウソだった。

 にもかかわらず、この話はエジプトからナイジェリア、そして最終的にはロシアにまで、SNSやニュースメディアを通じて広まった。この動画を調査した研究者たちによれば、そもそもの話の出どころはロシアだったという。

ロシア発の偽情報の手口がどんどん巧妙になっていると言われています。登場人物、舞台、筋書きが複雑かつリアルで、信じてしまう人も。記事の後半では、アラウィと名乗るエジプト人記者に関する新たな展開が明らかにされます。

 その後、この話は立ち消えた…

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