JR京葉線のダイヤ改定 利用者に影響調査 千葉市が23日から開始

重政紀元
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 16日から通勤時間帯のJR京葉線で快速電車の大半が各駅停車化されたことを受け、千葉市は23日から、ダイヤ改定の影響についてのウェブ調査を始める。

 JR東日本は今回のダイヤ改定で、京葉線の通勤時間帯の快速の運行をほとんど取りやめ、現行の平日上下線計59本が26本に大幅減少となった。

 千葉市は利用者の反発の声を受け、「沿線全体の影響を把握する必要がある」と判断した。京葉線利用者の最寄り駅や行き先などの基礎的なデータや、通勤快速や快速の廃止による時間面での影響など約20項目のアンケートをすることにした。自由記述で改定への感想も募る。

 調査は来月30日まで。結果は沿線の自治体とJRによる協議で活用する。回答は専用サイト=QRコード=から記入する。

 千葉市の神谷俊一市長はダイヤ改定にあたり、「蘇我駅以南や以東の地域との速達性を相互に確保するため、速やかなダイヤ復活の具体化が必要だ。沿線の20自治体や経済団体とともに、JRに早期の説明を求めていく」とコメントを出した。(重政紀元)

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 JR東日本はこれまで京葉線の各駅停車化の理由として、経営面の影響については認めていない。だが、同社の資料を見ると、完成時から莫大(ばくだい)な借金の返済が続いている。

 同社の2023年3月期の有価証券報告書には貸し付けを受けている設備の一覧表があり、その中に京葉線も含まれている。借入先は鉄道建設を担う国土交通省所管の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」。22年度の返済額にあたる貸付料は244億3800万円に上る。京葉線全線での旅客運輸収入は304億7200万円(22年度)で、貸付料の支払いだけで8割が消えている。

 貸し付けは29年度まで40年続く契約だ。支払い水準は「毎年基本的水準はほぼ変わらない」(同報告書)とされ、単純計算で1兆円近くになり、京葉線の総工事費(約4300億円)をはるかに上回る。

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