397自治体にパートナーシップ制度 自民党は「同性婚、相容れず」

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村上友里 根岸拓朗 二階堂友紀 笹川翔平
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 一連の同性婚訴訟で初の高裁判断となった札幌高裁判決は、憲法24条1項の婚姻の自由について「同性婚も保障する」と初めて踏み込んだ。パートナーシップ制度が広がり、社会が変わりつつあるが、政治の動きは鈍い。

 同性婚の国際的な状況に詳しい明治大学の鈴木賢教授(比較法)によると、世界では2001年にオランダが初めて同性婚を法制化し、現在は37カ国・地域で法的に認められている。欧州連合(EU)では、加盟27カ国のうち、16カ国ですでに法制化された。

 昨年から今年にかけてアンドラ、ネパールエストニアで認められ、今年2月には、ギリシャキリスト教の伝統を重んじる東方正教会の信者が多数を占める国として初めて認めた。

 アメリカや台湾では、裁判の判断が法制化の流れを作った。19年にアジアで最初に法制化した台湾は憲法裁判所にあたる大法官会議が17年、同性婚を認めないのは違憲との解釈を示していた。

 鈴木教授は、世界での動きについて「法制化する流れは後戻りできない地点まで来ている」と指摘する。一方、同性婚が広がる背景には「西洋の価値観を共有し、その一員になる」といった意味合いがあるとし、欧米的な民主主義の価値観とは異なる立場をとるロシアや中国、イスラム諸国では、「同性婚の実現はなかなか難しいのではないか」と述べた。

記事の後半に、パートナーシップ導入自治体の一覧リストがあります。自治体名で検索できます。政治の動きも紹介します

導入ない「空白県」はなくなる見込み

 主要7カ国(G7)で同性カ…

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    林尚行
    (朝日新聞GE補佐=政治、経済、政策)
    2024年3月15日8時28分 投稿
    【視点】

    この問題解決に政治が真正面から取り組まない間に、社会がどんどん先に進んでいる印象です。見逃せないのは、パートナーシップ制度の人口カバー率(8割)です。そんな中、変わっていく社会と響き合うように、今回の札幌高裁の判決は大きく踏み込みました。政

    …続きを読む