フランス、中絶の「自由」を憲法で保護へ 上下両院が憲法改正を可決

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パリ=宋光祐
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 フランスの上下両院は4日、パリ郊外のベルサイユ宮殿で合同会議を開き、女性による人工妊娠中絶の選択を「自由」と明記する憲法改正を賛成多数で可決した。仏メディアによると、女性の中絶の権利を憲法で明確に保護するのは世界で初めて。パリでは「歴史的な決定」に女性らが喜びの声を上げた。

 アタル首相は両院合同会議で演説し、「我々はすべての女性にメッセージを送る。あなたの体はあなた自身のものであり、あなた以外の誰にも決める権利はない」と述べた。採決は賛成780票、反対72票で、憲法改正に必要な基準を大幅に上回った。マクロン大統領は採決後、「フランスの誇りであり、普遍的なメッセージだ」とX(旧ツイッター)に投稿した。

 仏憲法院によると、現行の憲法が1958年に制定されて以来、改正は昨年までに24回実施されている。今回の改正は大統領任期を連続2期10年までと制限することなどを盛り込んだ2008年以来となる。

 新たに改正された憲法では、公共の自由などを記した34条に女性の中絶の選択が「保障された自由」と明記される。中絶の権利を保護する明確な文言が追加されたことで、政権交代が起きても女性の中絶の選択をめぐる状況を後戻りさせることは難しくなった。

 パリ中心部に立つエッフェル…

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