立野ダム改め「阿蘇立野ダム」が完成 4月から一般開放
熊本市など白川流域の治水対策として建設が進められてきた立野ダムが完成し、17日の式典で新名称「阿蘇立野ダム」がお披露目された。国による事業着手から41年。4月の本格運用開始とともに、ダム最上部の橋も含め一般開放される。
阿蘇のカルデラに降った雨を集めて立野峡谷を流れ下る白川。ダムは1953年の大水害などを引き起こしてきた白川の治水専用としてつくられた。本体にある3本の放流孔(5メートル四方)から常に水を流す。大雨の際にはさばききれない水が自然にたまることで洪水調節の役割を果たす。
完成式には地元関係者を含め約190人が参加。斉藤鉄夫国土交通相は「流水型で自然に近い環境が維持されるダムとなっており、立野峡谷に位置していることに最大限配慮した整備手法を採用した」と自然環境への配慮を強調した。
白川改修・立野ダム建設促進期成会の会長を務める大西一史・熊本市長は「ダムの完成により流域の治水対策が大きく前進する」とし、昨年7月の大雨の際に白川の水位上昇を抑える効果があったことに触れて「今後も洪水被害の防止や軽減の効果にたいへん期待している」と語った。
一方、地元を代表して南阿蘇村の吉良清一村長は「周辺に公園など憩いの場をつくる計画を進めている。今後は地区の方々と一緒になって観光ダムとしてしっかり取り組みたい」と話していた。
阿蘇立野ダムは堤高87メートル、堤頂長197メートル、総貯水量1010万トン。1月半ばから今月上旬にかけて、満水にする試験湛水(たんすい)を異常なく終えた。総事業費は約1270億円。
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