西村康稔氏が政倫審出席意向 「5人衆」で初めて 座長の塩谷氏らも

森岡航平 小木雄太
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 自民党派閥の裏金事件をめぐり、安倍派の塩谷立座長と西村康稔前経済産業相、二階派武田良太事務総長が衆院の政治倫理審査会に出席する意向であることが20日、分かった。野党が強く出席を求める安倍派幹部の「5人衆」の出席意向が明らかになるのは西村氏が初めて。朝日新聞が行ったアンケートでは、5人いずれもが出席か否かを明らかにしていなかった。

 疑惑が浮上した国会議員に質疑や審査を行う政倫審をめぐり、今回の問題でまず正式に3議員の出席意向が示された。塩谷氏は同日、記者団から出席するかを問われ、「それが基本だ」と述べた。

 朝日新聞は19~20日、裏金作りが判明している衆参両院の議員82人に文書でアンケートを行った。政倫審に出席する考えがあるか▽その理由▽政倫審出席以外での「説明責任」に関する考え――の3点を尋ねた。20日午後7時半までに回答があったのは82人中20人。塩谷氏は回答したが、西村、武田両氏は無回答だった。

 20人のうち、いずれも安倍派で衛藤征士郎・元衆院副議長、高鳥修一衆院議員、西田昌司参院議員の3人が、政倫審に出席する意向があると回答した。衛藤氏は「事実解明のチャンス」を理由に挙げた。

 82人のうち、出席する考えがある議員は塩谷、西村、武田3氏を加えても6人にとどまっており、党全体としては「説明責任」に後ろ向きな姿勢が鮮明になったと言える。一方、政倫審の開催は議員本人の申し出を基本にしており、衛藤氏ら3人を出席させるかどうか、今後の党の対応も焦点になる。

 自民内には塩谷、西村、武田3氏の出席では批判が収まらず、5人衆全員の出席は不可欠との見方も強い。前安倍派事務総長の西村氏が出席の意向を党側に示したことで、残る4人にも出席を求める圧力が強まるとみられ、党幹部は安倍、二階両派幹部に対し、引き続き出席を呼びかける方針だ。(森岡航平、小木雄太)

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