「終身」が壁の成年後見、「歴史的転換」なるか 人権侵害との指摘も

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編集委員・清川卓史 森本美紀 石川春菜

 成年後見制度の抜本的な見直しが始まることになった。超高齢社会に欠かせない仕組みとされながら、使い勝手の悪さが指摘され続けてきた。開始から20年を超え、使いやすい制度に変わることができるのか。

 「歴史的な転換だ」

 小泉龍司法相が見直しの議論を始めることを明らかにした13日。「認知症の人と家族の会」副代表理事の花俣ふみ代さんは、期待を込めてそう話した。

 現在の成年後見制度は2000年4月、介護保険と同時に始まった。認知症や知的障害などで判断能力が十分でない人に、家庭裁判所が選任した後見人らがつき、財産管理や相続などの手続き、介護保険や福祉などサービス利用を支援する。

 2000年度に家庭裁判所に選任の申し立てがあった約9千件と比べ、22年は1年間で約4万件。申し立て自体は増えている。しかし、全体の利用者24・5万人(22年末)は、同時期の介護保険の要介護(要支援)認定者696・8万人と比べれば少数で、広く活用されているとはとても言えない。

 その原因とされてきたのが「使いづらさ」だ。

 花俣さんは「1回使うと亡く…

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この記事を書いた人
清川卓史
編集委員|社会保障担当
専門・関心分野
認知症・介護、貧困、社会的孤立