児童虐待通告が最多更新、7割が心理的虐待 近隣住民からの通報増加

板倉大地
[PR]

 警察が児童相談所に児童虐待の疑いがあると通告した18歳未満の子どもが、昨年1年間で12万2806人(暫定値)となり、前年から6・1%増えて過去最多を更新した。警察庁が8日に発表した。児相への通告児童数は、統計が残る2004年から19年連続で増えている。

 警察庁によると、昨年の通告の内訳は、両親間での暴力といった面前DVなどの「心理的虐待」が最多の9万761人(前年比6・8%増)で、全体の7割強を占めた。次に多いのが「身体的虐待」で2万1520人(同4・2%増)。「怠慢・拒否(ネグレクト)」が1万205人(同4・1%増)、「性的虐待」が320人(同0・6%減)だった。

 警察庁によると、社会的に関心が高まり、近隣住民による通報が増えているという。

 虐待で親などが摘発された件数も13年から増え続けており、昨年は2385件(同9・4%増)で13年の約5倍だった。摘発件数の内訳では「身体的虐待」が最多の1903件(同10・8%増)。次いで「性的虐待」が372件(同1・9%増)だった。

DV相談は20年連続増

 配偶者らパートナーからの暴力(DV)の相談件数は昨年、8万8619件(同4・9%増)で20年連続で増加した。摘発件数は8636件(同1・2%増)だった。

 ストーカー事案の相談件数は1万9843件(同3・7%増)で依然として高い水準だった。刑法違反などでの摘発は1708件(同3・5%増)、ストーカー規制法違反での摘発が1081件(同5・2%増)だった。昨年1月には福岡市博多区で、男が元交際相手の女性を刺殺したとして起訴されたストーカー殺人事件が起きた。(板倉大地)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません