杉並・善福寺川の調節池計画、審議会で決定 樹木「極力保存・移植」

伊藤あずさ
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 豪雨時の浸水対策として東京都が整備を目指す「善福寺川上流調節池(仮称)」の計画が6日、都都市計画審議会で諮られ、賛成多数で決定された。工事に伴う公園の樹木伐採などに対して近隣住民に反対意見があり、都は樹木の保存・移植に努める意向を表明した。

 計画では、杉並区内の青梅街道などの地下約40メートルに内径約9メートル、総延長約5・8キロのトンネルを掘って調節池を造る。善福寺川沿いに設置する取水施設などから最大約30万立方メートルの水を取り込み、川の氾濫(はんらん)を防ぐ。

 6日の審議会では、昨年12月の計画案公表後、都に592通の意見書が提出されたことが報告された。548通が樹木の伐採や公園の閉鎖を懸念し、計画に反対する意見という。

 都都市整備局は樹木について「大規模工事のため一部影響が生じる可能性があるが、極力保存・移植する」と説明。取水施設などの詳細は設計中とした上で、「公園の遊具や遊び場などを考慮し、工事の影響が出る範囲を極力小さくするよう検討中」と述べた。

 善福寺川は2005年の豪雨で1659棟の浸水被害があったほか、昨年6月の台風でも被害が出た。委員らは水害対策の重要性を述べたうえで、「住民の声に耳を傾け、丁寧な説明を」と意見した。(伊藤あずさ)

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