「デジタルノマド」を呼び込め 最長6カ月の在留資格 政府が検討

久保田一道
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 デジタル技術を使って国境にとらわれずに働く外国人を呼び込むため、政府は、最長6カ月の滞在を認める新たな在留資格を創設する検討を始めた。こうした人たちは、家畜とともに旅をして生計を立てる遊牧民(ノマド)になぞらえ、「デジタルノマド」と呼ばれる。3日からパブリックコメントを募り、年度内の告示の改正をめざす。

 デジタルノマドは、マーケティングなど場所を問わず、リモートで働ける人たちを指す。海外の調査では、世界に約3500万人以上、市場規模は約110兆円に上るとする推計もある。

 デジタルノマドにあたるような外国人は、これまでも最長90日間の短期滞在が認められてきた。だが、経済団体などから消費活動による経済効果や技術革新が期待できるとして、より長期間、滞在できる制度の整備を求める声が上がっていた。

 出入国在留管理庁によると、「ワーキングホリデー」や「スポーツ選手」などと同じように、デジタルノマドを法相が指定する「特定活動」に加える見通し。

 デジタル技術を使う仕事で収入を得る人のうち、ビザなしで往来でき、租税条約を結んでいる49カ国・地域の国籍がある▽年収が1千万円以上▽民間医療保険に加入――などの要件を満たした人を対象とする方向で検討する。配偶者と子の帯同も可能とすることを想定しているという。

 デジタルノマドを巡っては、欧州のほか、マレーシアやタイなどで専用ビザを導入し、誘致する動きが広がっている。政府は、昨年6月に閣議決定した政策「新しい資本主義」実行計画の改訂版に、デジタルノマドの誘致を盛り込んでいた。(久保田一道)

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