「認識甘かった」地震5時間、情報なき首相官邸 危機感共有されず
1月1日夜、官邸の執務室で岸田文雄首相は焦燥感に包まれていた。
午後4時過ぎに石川県能登半島を震源とする震度7の激震が発生。首相はその約1時間後から、執務室で秘書官らと共に待機していた。つけっぱなしのNHKのテレビは、アナウンサーが津波からの避難を呼びかけ、炎に包まれる輪島市の市街地を映し出していた。
だが、首相にもたらされるのは「道路が寸断されている」「生き埋めが発生している」といった断片的な報告ばかり。全体状況が分からないまま、刻々と時が過ぎた。
「電話をつないでくれ」。しびれを切らした首相は秘書官に坂口茂・輪島市長らに直接、連絡をとるよう指示した。しかし、居場所が分からない。「公民館で孤立しているらしい」。そんな情報をもとに、ようやく探し当てた坂口氏と電話がつながったのは、午後10時過ぎ。スピーカー機能にしたスマートフォンを首相と秘書官が囲んだ。
「どんな状況ですか」。尋ね…
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能登半島地震(2024年)
2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。地震をめぐる最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]