深刻化する運転士不足 外国人労働者の特定技能、4分野の追加を検討

有料記事

織田一 久保田一道

 政府が、人手不足の分野で外国人労働者を受け入れる在留資格「特定技能」の対象に、自動車運送業や鉄道、林業、木材産業の4分野を加えることを検討していることがわかった。追加に法改正は伴わないが、省令などを改める必要がある。在留期間が最長5年の特定技能1号は現在、飲食料品製造や建設など12分野で受け入れている。追加が実現すれば、2019年の制度創設以来初めて。

 関係者によると、自動車運送業では、バスやタクシー、トラックの運転手を想定。鉄道では運転士や車掌、駅係員、車両製造など、林業では育林など、木材産業では木材加工などの業務に携わることを検討している。

 このほか、既存分野の飲食料品製造にスーパーでの総菜調理、産業機械など製造に繊維や印刷などの業務を追加することも考えられている。

「2024年問題」も背景に

 自動車運送業では、24年4…

この記事は有料記事です。残り451文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    加谷珪一
    (経済評論家)
    2024年1月28日12時11分 投稿
    【解説】

    日本では、10年以上前から深刻な人手不足が指摘されており、人口動態の変化によって状況がさらに悪化することは確実に予想できる状況でした。本来なら産業界は自動化・IT化など業務の効率化を進めると同時に、付加価値の高い業態にシフトすることで高い賃

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    田中宝紀
    (NPO法人青少年自立援助センター)
    2024年1月31日15時8分 投稿
    【視点】

    闇雲な受け入れ分野の拡大には個人的に慎重になるべきとの立場でいます。なぜなら、日本社会に外国から来た若者の人生をまるごと抱え、共に生きていくための体制が不十分な状況であるからです。 コロナ禍の入国規制が緩和されて以来、新規に来日する外

    …続きを読む