和歌山県が「パートナーシップ宣誓制度」導入 2月1日から

下地達也
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 和歌山県は23日、性的少数者が互いにパートナーの関係にあることを証明する「県パートナーシップ宣誓制度」を2月1日から導入すると発表した。定例記者会見で岸本周平知事が明らかにした。

 岸本知事は会見で「多様な生き方があることを知り、共に歩むための最初の一歩。市町村にも制度を広めていきたい」と述べた。現在、県内では橋本市新宮市那智勝浦町で導入されている。

 制度は、互いに18歳以上の未婚者で、双方か一方が性的少数者のカップルが利用できる。どちらかが県内に住んでいるなどの条件がある。手続きは、プライバシーを考慮し、基本的に電子申請やウェブ会議システムを使って行う。手続き後、県から受領証が交付される。

 受領証を提示すれば、一部の行政・民間サービスが婚姻関係にある男女と同様に受けられる。いずれかに子どもがいる場合、家族に相当する関係を証明することもできる。受領証に法的効力は無い。

 たとえば、県営住宅への入居申し込みの際、性的少数者のカップルは第三者に関係性を証明してもらう書類が必要だったが、制度導入後は受領証の提示で済むようになる。23日現在、制度導入後に利用できるサービスとして県は、県営住宅や5市7町の公営住宅への入居申し込み、9市7町の保育所などの入所申し込み・送迎などを挙げた。また、県立の病院などではスムーズに面会できるようになるという。

 手続きや利用可能なサービスの詳細などは、県のウェブサイトで閲覧できる。問い合わせは県青少年・男女共同参画課(073・441・2510)。

 県内で活動する、性的少数者やその理解者らでつくる「チーム紀伊水道」の副理事長でゲイの津村雅稔さん(38)は「これまで当事者は、同居や病院での面会を望んでも赤の他人扱いされて対応してもらえないこともあった。だから、関係を公的に証明される権利を得たことが、何より大きい」と話す。

 一方で、日常生活により近い「市町村での制度などの導入も必要」と指摘する。「県内全域で施策や理解が広がっていくよう、今後の制度のアップデートにも期待したい」と語った。

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