【往路詳報】箱根駅伝、青学が2年ぶりV 大本命・駒大を3区で逆転

[PR]

 第100回東京箱根間往復大学駅伝競走箱根駅伝)は2日、東京・大手町から神奈川・芦ノ湖までの往路(5区間、107・5キロ)が行われ、2、3、4区で区間1位を獲得した青山学院大が5時間18分13秒の往路新記録で、2年ぶり6度目の往路優勝を果たした。2年連続学生駅伝3冠を目指す駒大は2分38秒差の2位、3位は城西大で往路の過去最高順位を更新した。

 以降の順位は4位東洋大、5位早稲田大、6位国学院大、7位創価大、8位大東大、9位法政大、10位順天堂大、11位国士舘大、12位帝京大、13位中央大、14位駿河台大、15位山梨学院大、16位東海大、17位立教大、18位中央学院大、19位日大、20位東京農業大、21位日体大、22位神奈川大、23位明治大

 3日の復路は、往路のタイム差を引き継いで午前8時にスタートする。8位大東大以下の16校は1位青山学院大との差が10分以上ついたため、8時10分に一斉スタートする。総合上位10校が、来年の箱根駅伝のシード権を得る。

青学、5区も区間記録上回る好走 区間新は城西大の山本

 【5区】

 しっかりとした雨が降る中で山上りが始まった。1位青学大は若林宏樹(3年)、2位駒大は金子伊吹(4年)と、ともに5区で好走した経験のある選手がスタートした。

 函嶺洞門(3・6キロ)の地点で、1位青学大と2位駒大の差は少し縮まって1分22秒。3位城西大・山本唯翔(4年)とは中継所とほぼ変わらず、3分36秒差。ここから本格的な上り坂が始まる。

 大平台(7・1キロ)のポイントで、1位青学大と2位駒大は1分33秒差。小田原中継所をスタートしたときからさらに6秒差が広がった。このポイントを最も良いタイムで通過したのは城西大の現区間記録保持者、山本。ただ青学大・若林も山本から12秒しか変わらないペースで先頭を快走している。

 小涌園前(11・7キロ)では、1位青学大と2位駒大は1分57秒差まで広がった。3位城西大・山本は3分0秒差。小田原中継所から35秒青学大との差を縮めた。城西大はこれまでの往路過去最高順位は5位で、それを上回れそうだ。後方では14位でスタートした大東大の菊地駿介(4年)が6人抜きを見せ、シード圏内の8位まで浮上している。

 雨脚が少し弱まり、レースは標高最高地点近くの芦之湯(15・8キロ)のポイントへ。青学大の若林は、一時太ももをたたくしぐさを見せていたものの、しっかりした足取りで2位駒大との差を2分9秒まで広げた。駒大の50秒差まで、3位城西大の山本が迫ってきた。

 元箱根(18・7キロ)の地点でも、1位青学大の若林の動きは快調。独走状態で、2年ぶりの往路優勝が近づいてきた。2位駒沢大とは2分24秒差、3位城西大とは3分9秒差。

 青学大・若林はコースが下り基調になるとしっかりリズムを切り替え、従来の区間記録を32秒上回る1時間9分32秒の好記録で、往路のゴールテープを切った。2年連続学生駅伝3冠を目指す駒大は2分38秒差の2位、3位は城西大で往路の過去最高順位を更新した。山本は自身が持つ区間記録を50秒塗り替えて、1時間9分14秒の区間新記録を樹立した。

 19年連続のシード権獲得を目指す東洋大が4位、早稲田大が5位で続いた。8位の大東大で1位青学大と10分41秒差。大東大を含む16校が、3日の復路で青学大から10分後に繰り上げで一斉スタートする。

 10位順天堂大から19位日大までの10校が1分34秒差以内に固まっており、復路ではシード権争いが白熱しそうだ。

青学トップ譲らず 佐藤一世が好タイム

 【4区】

 青学大は4区経験者の佐藤一世(4年)が先頭で中継所を出ると、最初の1キロを2分41秒のハイペースで飛ばす。駒大は昨年5区を走った山川拓馬(2年)が初めての「平地区間」に挑む。青学大と駒大の差が、序盤で一気に15秒ほどまで広がった。

 4キロ過ぎ。青学大と駒大の差はさらに広がり、目測で30秒以上になった。二宮(9・1キロ)のポイントでは、1位青学大と2位駒大の差は41秒だった。

 11キロ過ぎ。青学大と並走する第1中継車から駒大・山川の姿が見えなくなってきた。山川は右の脇腹を気にするそぶりを見せている。酒匂橋(15・4キロ)のポイントで1位青学大と2位駒大の差はさらに開いて1分2秒。後方では、3位城西大の山中秀真(4年)に、中継所を46秒差の5位でスタートした東洋大の松山和希(4年)、47秒差の6位でスタートした国学院大の辻原輝(1年)が迫ってきた。

 青学大の佐藤は最終盤の上り坂でもペースを落とさず、1時間1分10秒の好記録。先頭で中継所に飛び込んだ。2位駒大との差は1分27秒に広がった。

 5区に現区間記録保持者の山本唯翔(4年)が控えている城西大は3分35秒差の3位でたすきリレー。4位で東洋大、5位で国学院大が続いた。「山の神」候補として注目されている吉田響(3年)を擁する創価大は、6分49秒差の8位でスタート。前回準優勝の中央大は、主将の湯浅仁(4年)が1時間1分44秒の走りを見せ、10位以内に与えられるシード圏内と41秒差の13位まで浮上してきた。

青学の太田蒼生が快走、大本命・駒大を逆転

 【3区】

 駒沢大は、11月に1万メートルのU20(20歳未満)の日本記録(27分28秒50)を樹立したばかりの2年、佐藤圭汰が箱根路デビュー。青山学院大は3区経験者の太田蒼生(3年)が22秒差でスタートした。最初の5キロではやや青山学院大が差を詰めている。

 遊行寺の急坂の下りを利用して、青学大の太田がさらにペースアップ。7・7キロ付近で駒大・佐藤に追いついた。後方では9位スタートの国学院大・青木瑠郁(2年)が4位まで浮上している。先にスタートした城西大の留学生キムタイ(2年)に並んで走っている。

 8・7キロ付近。国学院大・青木と城西大・キムタイが、3位創価大に追いついた。先頭集団とは約500メートル、1分30秒ほどの差で3位集団を形成している。

 10キロを過ぎ、舞台は湘南の海岸線へ。駒大・佐藤が前、1歩後ろに青学大・太田という隊列を崩さずに並走が続いている。

 13・8キロ過ぎ。青学大・太田が初めて駒大・佐藤の前に出た。一度は少し差が開いたが、14・7キロ付近で今度は駒大・佐藤が前に出る。茅ケ崎(14・4キロ)のポイントで3位集団の国学院大、城西大とは2分25秒差がついている。

 16・5キロ付近。青学大・太田が再び駒大・佐藤の前に出る。差が5メートルほど開いた。しかし佐藤も負けじと先頭を奪い返し、18キロを過ぎても並走が続いている。

 18・2キロ付近。青学大の太田がかけていたサングラスを外してロングスパート。駒大・佐藤との差が10メートル以上開く。佐藤は口が開いて苦しそう。後方の3位争いでは、城西大が国学院大を引き離した。国学院大の背中には、5位集団の日大、早稲田大、東洋大が迫ってきた。

 青学大の太田が残り1キロ手前でたすきを取り、最後の力を振り絞る。そのまま2位駒沢大と4秒差のトップでたすきを渡した。太田は59分47秒の記録で、この区間日本人では初めて1時間切りを果たした。

 昨年の箱根駅伝・往路の平塚中継所で中央大が1位でたすきをつないで以来、「24区間ぶり」に、学生3大駅伝で駒大以外のチームが先頭に立った。

 3位に2分39秒差で城西大、予選会から出場権をつかんだ日大が4位と健闘している。前回準優勝の中央大は、昨年と同じメンバーが1~3区を出走しているが18位と大きく出遅れた。

駒大・鈴木芽吹が逃げる 青学の黒田が22秒差まで詰める

 【2区】

 駒大は主将、鈴木芽吹(4年)が初めての「花の2区」を先頭で快調に飛ばす。創価大・ムチーニ、日大・キップケメイが、20秒ほど後方で2位集団を形成している。4位は単独で城西大の斎藤将也(2年)。

 5・5キロ付近。9位でスタ…

この記事は有料記事です。残り1923文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら