「人はなぜ戦うのか」 シカゴ大教授が考える独裁者たちの思考

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聞き手・牧野愛博
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 2024年もウクライナや中東で戦火がやみません。米シカゴ大のクリストファー・ブラットマン教授は著書「WHY WE FIGHT(邦題・戦争と交渉の経済学 人はなぜ戦うのか=草思社)」で、武力紛争を引き起こす要因として「私的利益」「思い入れ」「はったり」「疑心暗鬼」「楽観バイアス」の五つを挙げます。

 ――著書で「ギャングは対立しても、すぐには戦わない」と指摘しています。

 ほとんどの場合、指導者も将軍もギャングのリーダーも戦いたくありません。自身も大切な人も死んでしまうかもしれないし、そのリスクを知っています。

 ギャングはビジネスパーソンです。戦いはビジネスに悪影響を及ぼします。銃撃戦の真っただ中に麻薬を売る人はいませんから。

 ――なぜ、ロシアのプーチン大統領はウクライナ侵攻を決めたのでしょうか。

プーチン大統領のロシアはなぜ戦うのか?

 私は著書で、戦う五つの理由…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島
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    阿古智子
    (東京大学大学院総合文化研究科教授)
    2024年2月15日11時8分 投稿
    【視点】

    独裁者がコストを無視した行動をするという現実、今のロシアにも中国にも、イスラエルにも共通しています。イエスマンばかりがリーダーの周りに集まり、ますます合理的な判断ができなくなる。経済不況や社会不安が増大する中で、敵を把握し、自分を守ることに

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年3月11日2時1分 投稿
    【視点】

    戦争をコストの面から捉え、多くの場合がコストがかかりすぎるため戦争をしないと前置きしつつも、それでも戦争が起こるのはコストを無視するからだ、という設定で議論を展開しているのに好感。安易な「相互依存は戦争を無くす」という議論ではなく、戦う理由

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