吉田茂遺品の衝立に歴代首相書簡 ワンマン宰相が大切にしたつながり

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編集委員・藤田直央
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 敗戦から主権回復への激動期に首相を務め、長期政権を築いた吉田茂。遺品の衝立(ついたて)が、外務省の外交史料館(東京・麻布台)で戦後80年の特別企画として展示されている。義父で昭和天皇側近だった牧野伸顕や、先輩首相らとの交流がうかがえる。5月31日まで。

 同館は、吉田のサンフランシスコ平和条約受諾演説原稿の複製などを常設展示している。特別企画では7点が追加され、その中心となるのが衝立だ。約2メートル四方の頑丈な木製で、書簡17通が貼ってある。もとは神奈川県大磯町の吉田邸の応接間にあり、外交官だった吉田の遺品として1980年代末に同館に寄贈された。

 占領下で公職追放された鳩山一郎に代わり、吉田は46年に自由党総裁に就任、首相となった。同館の現代語訳によると、47年ごろの牧野からの書簡にはこう記してある。

 「今後ますます多事が予期さ…

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この記事を書いた人
藤田直央
編集委員|政治・外交・憲法
専門・関心分野
日本の内政・外交、近現代史