第17回裏金受領の議員立件に壁 元特捜検事が指摘する「規正法の大穴」とは

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聞き手・二階堂友紀

 自民党清和政策研究会(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化したとされる事件では、政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)罪の時効にかからない2018年からの5年間で、裏金の総額は約5億円に上るとみられています。ところが、東京地検特捜部の検事も務めた郷原信郎弁護士は「政治資金規正法には、裏金の摘発を難しくする重大な欠陥がある」と言います。

 ――特捜部は安倍派中枢幹部の松野博一・前官房長官高木毅・前党国会対策委員長らから任意で事情聴取しました。立件の行方をどうみていますか。

 派閥側については、会計責任者の職員に、清和政策研究会という政治団体の政治資金収支報告書にパーティーの収支を正しく記載する義務があります。

 収入の一部を意図的に除外して記載したとすれば、政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)罪が成立することは明らかです。

 会計責任者との関係次第では、事務総長など派閥の幹部議員についても共謀が認められる可能性があります。

 問題は裏金を受け取った個々の議員側の立件です。直近の5年間で、派閥側から5千万円超~4千万円超の還流を受けた議員も複数いるとされていますが、立件は容易ではありません。

政治資金規正法に「重大な欠陥」

 ――どういうことでしょうか。

 国会議員は、議員個人の政治…

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この記事を書いた人
二階堂友紀
東京社会部
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政治資金問題

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