トランスジェンダー公表の弁護士を脅迫 男に懲役1年6カ月求刑

森下裕介 山本逸生
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 トランスジェンダーを公表している仲岡しゅん弁護士(大阪弁護士会)に殺害を予告するメッセージを送ったとして、脅迫罪に問われた無職の男(38)=東京都品川区=の初公判が21日、大阪地裁であった。男は起訴内容を認め、検察側は懲役1年6カ月を求刑して即日結審した。判決は来年1月11日。

 検察側によると、男は今年6月3~5日に計9回、仲岡弁護士が所属する法律事務所のホームページ(HP)の問い合わせフォームから「メッタ刺しにして殺害する」などの文言を送ったとされる。ジェンダー問題を巡る仲岡弁護士のSNSの投稿が自身の主張と異なるため腹を立てたと動機を指摘。論告では「心当たりのない人物からの脅迫で被害者の精神的苦痛は大きかった」と主張した。

 被告人質問では、意見が異なる人が他にもいる中で仲岡弁護士を脅迫した理由を弁護人から問われた。男は、仲岡弁護士がトランスジェンダーであることを公表しているからではないとし、「HPからなら匿名でメッセージを送れると思った」と述べた。

 弁護側は最終弁論で、犯行には精神疾患や飲酒の影響があったが、父親が監督を約束していると主張。示談も成立していることから、「早期の社会復帰を可能にするのが相当」と訴えた。(森下裕介、山本逸生)

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