イスラエルのユダヤ人、8割が「ガザの人の苦しみ考慮する必要なし」

イスラエル・パレスチナ問題

エルサレム=高久潤
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 イスラエルユダヤ人の多くは、パレスチナ自治区ガザ地区での軍事作戦でパレスチナ人の苦しみを考える必要がないと考えている――。シンクタンクのイスラエル民主主義研究所が19日に発表した世論調査から、そんな実態が浮かび上がった。イスラム組織ハマスが実効支配するガザへの攻撃を緩めないイスラエル政府や同軍に対し、国内のユダヤ人から強い支持があることがうかがえる。

 ガザの保健当局によると、19日の時点で、10月7日の戦闘開始以降の死者数は1万9千人を上回る。

 調査はネットや電話でのインタビュー形式で12月11~13日、503人のユダヤ系と101人のアラブ系の男女を対象に実施された。イスラエルは人口の大半がユダヤ系だが、アラブ系の市民(パレスチナ人)も2割ほどいる。

 発表によると、「軍事計画を立てる際に、どの程度ガザの人たちの苦しみを考慮するべきか」との設問に対し、ユダヤ系は「ほとんど考えるべきではない」「あまり考えるべきではない」の答えが合わせて81%を占めた。10月中旬の調査でも同様の傾向がみられ、回答の割合は、ほとんど違いがなかったという。

 一方でアラブ系は反対の傾向がみられ、「大いに考えるべきだ」「かなり考えるべきだ」が計83%だった。

 また、ユダヤ系の回答には政治的な立場によって違いがあり、右派の89%、中道の77・5%、左派の53%がそれぞれ「考えるべきではない」と答えた、としている。(エルサレム=高久潤

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