東京チェンソーズが注目した「森のヘンテコ素材」 林業の可能性とは

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内田光

 わずか1万数千円。樹齢60~70年、樹高25メートル近い杉などの原木から切り出される丸太の価格だ。板や柱に適した真っすぐな幹の部分だけが商品として流通し、木全体のほぼ半分にあたる根株や枝などは、そのまま山に捨てられるのが一般的だ。

 そこに着目したのが東京都檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」だ。これまで捨てられていた部分も商品として「1本丸ごと」販売することで木1本の価値を高め、持続可能な林業を目指している。

 木材の乾燥場には、巨大な根株や二股の丸太などユニークな木材がごろごろ。社内では「森のヘンテコ素材」と呼んでメールマガジンで紹介したり、内装会社やデザイナーらを山に直接招いたりして、その魅力や利用方法を見いだしてもらっている。他にも、細い枝からバードコールやコマなどの雑貨をつくってカプセルトイ「山男のガチャ」を販売したり、活用できない木材からは油を抽出して森の香りがするアロマミストをつくるなど、伐採した木を余すことなく使うアイデアが光る。

 急斜面が多い日本では作業の…

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