KADOKAWAがトランスジェンダーめぐる本の刊行中止 批判受け

[PR]

 KADOKAWAは5日、来年1月24日に発売予定だった書籍「あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇」(アビゲイル・シュライアー著、岩波明監訳、村山美雪・高橋知子・寺尾まち子共訳)の刊行を中止した。同日夜、同社ウェブサイトで発表した。

 原書は英語版のノンフィクション。日本語版の商品ページにトランスジェンダーを示唆して「熱狂はSNSで伝染する」などと紹介され、「トランスジェンダー差別を助長する」とX(旧ツイッター)などで批判の声が上がっていた。

 同社の発表文では「刊行の告知直後から、多くの方々より本書の内容および刊行の是非について様々なご意見を賜りました」と説明。「ジェンダーに関する欧米での事象等を通じて国内読者で議論を深めていくきっかけになればと刊行を予定しておりましたが、タイトルやキャッチコピーの内容により結果的に当事者の方を傷つけることとなり、誠に申し訳ございません」と謝罪した。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    辻田真佐憲
    (評論家・近現代史研究者)
    2023年12月7日12時19分 投稿
    【視点】

    角川はヒトラーの『わが闘争』の翻訳も出しているわけで、問題のある本だからといって翻訳・出版することを止めようとすること自体はおおよそ適切ではありません。ただ、解説などで「こういう批判もある」などと紹介するなどは必要でしょうが。今回は、SNS

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    小林恭子
    (在英ジャーナリスト)
    2023年12月9日9時20分 投稿
    【視点】

    見出しに目を奪われて、読み出しました。 とても残念なのは、この本が一体どういう本なのかが十分に説明されていない点です。 出版社側の説明では「タイトルやキャッチコピーの内容により結果的に当事者の方を傷つけることとなり」とありました

    …続きを読む