名大病院の「自己研鑽」運用 「通達の範囲内」 国立大学病院長会議

土肥修一
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 医師の働き方改革をめぐり、名古屋大病院が勤務医の時間外における教育・研究活動を、労働ではない「自己研鑽(けんさん)」として原則扱っていることについて、国立大学病院長会議の横手幸太郎会長(千葉大学病院長)は1日、自己研鑽と労働の判断基準を示した厚生労働省の通達の解釈の範囲内で運用されているとの認識を示した。

 横手会長は、東京都内であった会見で記者の質問に答えた。

 厚労省の通達は2019年に出され、時間外に、本来の業務と関係ないことを、上司の指示なく行えば自己研鑽などとしている。しかし、内容が抽象的で、病院経営者から都合よく解釈され、幅広い業務が自己研鑽として扱われてしまう可能性が指摘されている。

 横手会長は、同会議の事務局が名古屋大学病院側から説明を受けたとし、働き方改革を進める中で、「名古屋大学病院もおそらく手探りの状態」と述べた。

 ほかの国立大学病院についても、「通達によらない運用を進めているところがあるとは聞いていない」と語った。そのうえで、同会議は全国の国立大学病院に対し「通達に基づく運用について、誤解がないように繰り返し周知に努めている段階」と説明。現時点では実態調査をする予定はないとした。

 ただ、大学病院において教育と研究は本来業務であり、時間外であっても一律に自己研鑽と扱えば、問題となる可能性がある。(土肥修一)

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