流行語大賞、年間大賞は「アレ」に 野球や将棋が並ぶ 異常気象も

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田中ゑれ奈

 1日に発表された「2023ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)。年間大賞に輝いた「アレ(A.R.E.)」をはじめ、スポーツや将棋などのスーパースターの活躍を印象づける言葉が目立つ一方、社会的な事件や異常気象にまつわる言葉もトップテン入りした。

「2023ユーキャン新語・流行語大賞」トップテン

 「新しい学校のリーダーズ/首振りダンス」「アレ(A.R.E.)」「OSO18/アーバンベア」「蛙(かえる)化現象」「生成AI」「地球沸騰化」「ペッパーミル・パフォーマンス」「観(み)る将」「闇バイト」「4年ぶり/声出し応援」(50音順)。

 年間大賞は3年連続で野球に関する言葉が選ばれた。「アレ(A.R.E.)」の生みの親であるプロ野球阪神タイガースの岡田彰布監督は、「優勝」を「アレ」と言い換える独特な言語センスでチームを率い、38年ぶりの日本一を果たした。表彰式に駆けつけた岡田監督は「近くにある『コレ』は手が届くけど、『アレ』には『もう少しで何かにたどりつく』というのが加味される。関西とスポーツ界の盛り上がりに少しでも貢献できてよかった」と話した。

 WBCでも、「ペッパーミル・パフォーマンス」がアメリカ人大リーガー初の日本代表、ラーズ・ヌートバー選手の人気に火を付けた。コロナ禍で自粛を余儀なくされていた試合会場での声援は、「4年ぶり/声出し応援」として戻ってきた。将棋の藤井聡太八冠のカリスマ性は将棋ファンの裾野を広げ、観戦専門の「観(み)る将」という新しい楽しみ方を定着させた。

 新時代のスターへの共感は、勝負の世界にとどまらない。女性4人組のダンスパフォーマンスユニット「新しい学校のリーダーズ」は、高い身体能力で魅了する「首振りダンス」でTikTokなどで人気を集め、年末のNHK紅白歌合戦への出場も決まった。

 憧れの存在に支えられる一方…

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    パトリック・ハーラン
    (お笑い芸人・タレント)
    2023年12月3日8時47分 投稿
    【視点】

    おそらく30年後に振り返ると、今年で一番歴史を変えた出来事は生成AIの登場。だが、やはりバズったのはアレですね。特に関西でテレビつけてもアレ。新聞見てもアレ。アレ三昧でしたね。   ちゃんと有言実行で優勝してよかったですね。あんなに熱狂さ

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    清水謙司
    (朝日新聞記者=歴史・寺社文化財など)
    2023年12月1日19時40分 投稿
    【視点】

    きょうから12月。いま暮らしている奈良もずいぶんと冷え込みました。毎年12月に発表されるおなじみのこのニュースも、やはり冬の訪れを感じさせてくれました。 この「新語・流行語大賞」。聞けば1984年に始まったそうです。今年の年間大賞に輝いた

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