ロシア最高裁、LGBT活動を「過激派」認定 市民運動もターゲット

[PR]

 ロシア最高裁判所は11月30日、LGBTなど性的少数者の権利のための活動を過激派と認定し、ロシア国内での活動を禁止するとの決定を発表した。ロシアでは昨年、LGBTに関する情報の拡散を禁止する法律が成立するなど、性的少数者への抑圧が強まっている。

 ロシア法務省は17日、LGBTに関する活動について「社会的、宗教的憎悪の扇動を含む過激主義の様々な兆候が確認された」として、同裁判所に過激派認定を求めて提訴していた。

 インタファクス通信などによると、禁止の対象となったのは「国際的なLGBTの市民運動」で、性的少数者のためのあらゆる活動に携わる人が該当する可能性がある。裁判は非公開で行われ、LGBT団体の代理人は出席しなかったという。

 今年7月には、性別の変更や性別適合手術を原則的に禁止する法律が成立。ロシアのプーチン大統領は特にウクライナ侵攻以降、「伝統的な家族観の価値」を繰り返し強調し、性的少数者の権利擁護を進める欧米諸国と異なる態度を鮮明にしている。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    パトリック・ハーラン
    (お笑い芸人・タレント)
    2023年12月3日14時28分 投稿
    【視点】

    マイノリティーへの怒りや恐怖を煽るのが権威主義の定番。「○○の人たちが我々の道徳や価値観を冒し、我々の経済活動や自由への脅威だ!」というレトリックの「○○」に入るのはスケープゴートと呼ばれる。古代に人間の代わりに犠牲にされた「贖罪のヤギ」と

    …続きを読む