小湊鉄道、支援要望のさなかの大雨被災 運行を継続できるかの岐路に

有料記事

鳥尾祐太
[PR]

 9月の台風13号に伴う大雨で被災した小湊鉄道(千葉県市原市)が、不通となっていた区間を仮復旧し、休日などに限って全線で運行を再開した。会社創立100年を超えるが、鉄道事業は近年赤字が続いており、地元自治体に支援を要望していたさなかの災害だった。今回は復旧費用の一部を県などが公的資金で賄う「特例的」な措置で乗り切る見込みだ。ただ、今後の事業の持続性をめぐっては岐路に立っている。(鳥尾祐太)

 9月8日に房総半島を襲った大雨で、山間部を走る小湊鉄道では線路への土砂の流入や倒木といった深刻な被害が出た。土砂の撤去や枕木交換といった復旧にかかる費用の総額は当初、4千万円程度と見込まれていた。だが、人件費や物価高の影響で1億円近くに膨らみそうだという。

 今月23日には、被災後不通となっていた月崎―上総中野駅間(9・25キロ)の仮復旧を終え、全線で運行を再開した。ただ、本格復旧に向けて沿線での工事は続くため、観光需要が見込まれる週末など休日中心に限定し、平日は同区間は代行バスを走らせる。平日の全線運行が実現するのは来年3月ごろになる予定だ。

復旧費は県などが「特例的」に支出

 小湊鉄道は、自然災害のリスクに常にさらされてきた。2019年10月の台風、21年の集中豪雨でも被災し、それぞれ全線再開まで3カ月以上かかった。石川卓生(たくお)副社長は「やはり、ここまで被害が大きかったか」と今回の被災直後の心境を振り返る。

 小湊鉄道の復旧をめぐっては…

この記事は有料記事です。残り1159文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません