【詳報】駒大独走の4連覇 2位青学、3位は国学院 全日本大学駅伝

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 第55回全日本大学駅伝対校選手権大会(熱田神宮西門前~伊勢神宮内宮宇治橋前、8区間、106・8キロ)が5日に行われ、駒大が5時間9分0秒で、史上初となる2度目の4連覇を果たした。通算の優勝回数も最多を更新する16回目。10月の出雲駅伝に続いて、一度も首位を譲らずに優勝した。史上初となる2年連続「学生駅伝3冠」にも王手をかけた。

 【8区】駒大のアンカー山川拓馬が、史上初となる2度目の4連覇に向けて先頭を独走している。東京国際大、早大、創価大による7位争いは、3キロ手前で早大が遅れ始めた。シード権を獲得できるのは8位以内。9位以下のチームは来年、地区予選会に回る。

 レースは残り5キロを切った。駒大は2位以下に3分前後の差をつけ、4連覇が大きく近づいてきた。2位争いは熾烈(しれつ)になっている。2位でスタートした青学大の田中悠登に、国学院大の伊地知賢造と中大の阿部陽樹が15キロ過ぎに追いつき、並走が始まった。

青学、国学院、中央は僅差でゴール

 駒大・山川が両手を突き上げてゴールテープを切った。5時間9分0秒の記録で、大会史上初の2度目の4連覇を達成した。2位は3分34秒差で青学大、3位には3分39秒差で国学院大が入った。4位中大は10秒差で表彰台に届かなかった。

 城西大は史上最高の5位で、6位創価大はアンカー吉田凌が順位を三つあげてシード権を獲得した。大東大も7位で18年ぶりの獲得。10月の箱根駅伝予選会で出場権を3秒差で逃していた東京国際大は、8位で2年ぶりにシード権をつかんだ。9位東海大はシード権を1分49秒差で逃した。

 【7区】レースは区間距離が長い終盤2区間に入った。駒大は大きなリードを奪った状態で主将の鈴木芽吹がスタート。淡々とハイペースを刻んでいる。後方では、国学院大の平林清澄が、6秒前にスタートした3位中大の湯浅仁に4キロ付近で追いついた。

 先頭の駒大・鈴木は依然、快調なペースで飛ばす。10キロ地点で2位青学大・太田蒼生との差はさらに開いて2分45秒。3位争いは国学院大、中大が3分25秒差で並走している。シード権争いは、9位創価大のスティーブン・ムチーニが、8位早大の伊藤大志を36秒差で追いかけている。

 汗ばむような暑さの中、駒大・鈴木が危なげなく首位を守って最後のたすきリレー。2位青学大との差は2分49秒まで広がった。13キロ以上にわたって並走が続いていた3位争いは、中大の湯浅が制して先に中継所に飛び込んだ。2位青学大と3位中大、4位国学院大は9秒差以内にひしめき合い、表彰台争いはアンカー勝負となった。

 その後は5位大東大、6位城西大、7位東京国際大、8位早大、9位創価大の順にたすきをつないだ。創価大から7位東京国際大までが4秒差、さらに前方の5位大東大までが32秒差となっており、シード権争いも大混戦となっている。

 駒大がハイペースで独走している影響で、東海学連選抜を含む12チームに中継所で15分以上の差が付き、繰り上げスタートとなった。関東勢を除く出場校は、自校のたすきを最後までつなげなかった。

 【6区】駒大は、当日変更で花尾恭輔に代わってエントリーした安原太陽が、区間記録とほぼ同じペースで3キロを通過した。

 後続との差はさらに広げ、6・3キロ地点で2位青学大とは2分4秒差。3位で並走する国学院大、中大とは2分32秒差とした。シード権争いは大東大のケニア人留学生、ピーター・ワンジルが抜け出し7位に。8位をめぐり早大、創価大が並走している。

 駒大・安原太は、最後まで力強い走りで先頭を譲らずにたすきを渡した。2位は2分21秒差で青学大、熾烈(しれつ)な3位争いは、中大の吉中祐太が制して先頭と2分58秒差。4位国学院大に6秒の差をつけた。

 5位城西大に続いて、ワンジルが二つ順位を上げた大東大が6位でたすきリレー。城西大は5年ぶり、大東大は18年ぶりのシード権獲得を狙っている。7位東京国際大、8位早大までがシード圏内。早大と9位帝京大は44秒差となっている。

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 【5区】駒大は大会新記録ペースからは少し遅れたものの、依然として伊藤蒼唯が悠々と先頭を走っている。その約1分30秒後方では、4位でスタートした青学大の山内健登が、城西大を5キロ付近でかわして2位に浮上した。

 駒大・伊藤は暑さに顔をゆがめながらも、最後までピッチは衰えず。首位を守って中継所に飛び込んだ。2位との差はさらに30秒以上広がり、1分55秒差で青学大。国学院大は、前年も5区を走って区間賞を獲得している青木瑠郁が三つ順位を上げ、2分9秒差の3位で通過した。4位中大、5位城西大、6位東京国際大と続いた。

 7位早大から8位大東大、9位創価大を挟んで10位東農大までが16秒差にひしめき合っており、8位以内までに与えられるシード権を巡る争いが白熱している。創価大は吉田響が区間新記録の走りで、四つ順位を上げた。

 【4区】駒大は大会新記録ペースの盤石な継走を見せている。4区を任された赤星雄斗は淡々とペースを刻み、5キロ通過は14分27秒。後方では7位でたすきを受けた中大の溜池一太が追い上げを見せ、8キロ手前で2位青学大の小原響に追いつき、並走している。

 気温が21度ほどまで上昇し、選手たちの額に汗が目立ち始める。先頭で駒大の赤星が中継所に飛び込んできてから、1分22秒後の2位でたすきをリレーしたのは、城西大の斎藤将也。6人抜きの快走を見せた。城西大は第2中継所では13位通過だったが、3区のキムタイと2区間連続の区間賞で、大幅に順位を上げた。

 3位は1分34秒差で中大、4位は1分39秒差で青学大。国学院大は高山豪起が三つ順位を上げて6位まで浮上してきた。

 【3区】先頭の駒大は篠原倖太朗が、やや抑え気味のペースで入る。20秒差の3位でたすきを受けた早大の石塚陽士は青学大をかわして2位に浮上し、3キロ地点で駒大・篠原にも10秒前後の差まで迫る。34秒差の5位でスタートした中大の吉居大和は、4キロ付近で3位青学大に追いついた。

 駒大の篠原はペースを徐々に上げ、早大・石塚との差を引き離す。7・4キロ地点では中継所でたすきを受けた時よりもさらに16秒の差を広げ、36秒差になった。中大の吉居大はペースが上がりきらず。3位で並走していた青学大の佐藤一世、後方から来た東京国際大の佐藤榛紀に引き離されて5位に後退した。

 駒大の篠原はさらに後続との差を広げ、1号車から2位のチームが見えない状態になった。中継所の手前で早大をかわした青学大が1分差の2位。1分1秒差の3位で早大。東京国際大、帝京大が続いてたすきをリレーした。

 中大の吉居大は二つ順位を下げて1分28秒差の7位でたすきをつないだ。城西大はケニア人留学生、ビクター・キムタイの快走で13位からシード圏内の8位までジャンプアップ。8位でスタートした順大の1年生、吉岡大翔は実力を発揮できず、三つ順位を下げて11位でたすきリレーした。

2区の佐藤圭太は区間新 駒大の強さ見せる

 【2区】先頭でたすきを受けた駒大の佐藤圭汰が最初の1キロを2分37秒のハイペースで突っ込み、早大の山口智規が食らいつく。後方では東京国際大のケニア人留学生、アモス・ベットが順位を7位から3位まで上げている。

 5キロ過ぎ、駒大の佐藤が早大の山口を徐々に引き離し始めた。3位集団では青学大の黒田朝日がペースを上げ、9キロ手前で早大の山口に追いついた。

 駒大の佐藤は最後までペースを落とさず。区間記録を11秒更新する走りで、後続との差を広げて首位でたすきをリレーした。2位は16秒差で青学大、3位は20秒差で早大。

 東農大のルーキー前田和摩は東京国際大のベットを抜くなど、10位から4位まで順位を上げ、鮮烈な学生3大駅伝デビューを果たした。

 前半区間に主力を並べている中大は34秒差の5位。前年準優勝の国学院大は「3本柱」の一人、山本歩夢が出走したが、1分28秒差の10位での継走となりやや出遅れた。

1区区間賞は駒大の赤津、1秒差で早稲田の間瀬田

 【1区】中大の吉居駿恭がスタートから先頭を引っ張る展開に。4キロ過ぎに青学大の若林宏樹が先頭集団から飛びだし、5キロを区間記録を上回る14分22秒で通過した。

 8キロ手前から駒大、国学院大、中大などを含む2位集団が追い上げを開始し、9キロ付近で青学大の若林をかわす。残り500メートルを切ってからのスパート合戦を制した駒大の赤津勇進が先頭でたすきをつないだ。1秒差の2位に早大の間瀬田純平、3秒差の3位に中大。前年準優勝の国学院大は7秒差の6位、青学大の若林は8秒差の8位で中継所に飛び込んだ。

     ◇

駒大4連覇か、阻むのは国学院か中央か

 大会史上初となる2度目の4連覇を目指す駒大は、アジア大会の男子5000メートルで6位入賞した佐藤圭汰を2区(11・1キロ)に、主将の鈴木芽吹を7区(17・6キロ)にエントリーした。当日変更でハーフマラソンの日本人学生記録保持者、篠原倖太朗が3区(11・9キロ)に、6区(12・8キロ)は花尾恭輔に代わって安原太陽が登録された。

 昨年準優勝の国学院大は7区に平林清澄、最長区間の最終8区(19・7キロ)に伊地知賢造を登録。当日変更で2区に山本歩夢がエントリーされた。今年の箱根駅伝で2位に入った中大は前半区間から主力を並べ、1区(9・5キロ)に吉居駿恭、2区に中野翔太、3区に吉居大和をエントリーした。

 青学大は当日変更で1区に若林宏樹を、3区に佐藤一世を、7区に太田蒼生をエントリーした。順大は当日変更で3区に5000メートルの日本高校記録を持つルーキー、吉岡大翔を登録。2区にエントリーされている三浦龍司からたすきを受けて走る。

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