盛岡の上米内駅が開業100年 当時のままの駅舎前で記念式典

杉村和将
[PR]

 【岩手】JR山田線の上米内(かみよない)駅(盛岡市)が開業から100年を迎え、記念式典が4日、開かれた。山田線の利用客は年々減っているが、式典は多くの人でにぎわい、地元の人たちは駅や地域の盛り上がりを期待していた。

 山田線が開通したのは1923年10月。その最初の区間が盛岡駅~上米内駅だった。その後、鉄路は沿岸へ延伸し、34年に宮古まで開通した。上米内駅は開通当初の最初の終着駅で、木造平屋の駅舎は当時の建物が今も使われている。

 ただ、山田線の1日平均の利用者数は1987年度は1千人を超えていたが、その後は年々減り、近年は100人を下回っている。存廃問題が大きなテーマとなる中、記念式典では地域に伝わる伝統さんさ踊りが披露され、祝いの餅が配られた。

 開業100年を機に路線を盛り上げようと、式典には地域の人からの寄付も寄せられた。実行委員会長の井上行男さん(77)は「駅は地域のシンボル。百周年が路線存続の起爆剤になってくれればありがたい」と話した。

 駅は2018年に無人駅となったが、20年春に駅舎をリニューアル。漆工房やカフェがあるスペースとして再出発した。無人駅をリノベーションして活用する取り組みの先駆的な存在として知られ、全国から視察も相次いでいる。

 駅周辺では5日まで、食べ物や野菜を売る屋台のほか、駅舎内でのプラレール設置などの催しが開かれている。(杉村和将)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません