「控える」連発 逃げ目立つ首相 与党からも「説明の意欲感じない」
臨時国会序盤の論戦は、1日の参院予算委員会で一区切りとなった。目立ったのは、追及をはぐらかしたり、答弁を「控える」としたりする岸田文雄首相の逃げの姿勢だ。与党からも「説明を尽くそうとする意欲を感じない」との声があがる。
10月31日の参院予算委員会。立憲民主党の蓮舫氏は何度も「所得税などの減税は1回限りではなく、続けるのか」と、首相肝いりの「減税」が来年限りかどうかを確認した。首相はようやく4回目に「1回で終われるよう経済を盛り上げていきたい」と応じたが、明言は避けた。
いらだつ蓮舫氏は「なかなか(首相の)言葉が届かない」と不満をぶちまけた。少子化対策で国民負担が「実質的に増えない」などと説明する首相には、「理屈がやっぱりわからない」と切り捨てた。
27日以降、衆参予算委で4日間にわたり論戦が行われたが、首相が国民の「負担」にかかわる質問をはぐらかす姿勢は一貫している。
例えば防衛増税だ。政府は防衛力強化の財源として、法人税や所得税などの増税を見込む。SNS上で「増税メガネ」と揶揄(やゆ)されている首相は、決して「防衛増税」との言葉は使わず「税制措置」と言い換える。27日の衆院予算委では「防衛……」と言いかけ、立憲の後藤祐一氏から「いま『増税』って言いそうになった。言葉をよけてもしょうがない」と指摘される場面もあった。
また、事業費3・5兆円の少…
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- 【視点】
首相は政治的な修辞を上手く「自分の言葉」に置き換えて伝えるのが苦手で、大損をしているように見える。 防衛費増額についても「我が国を取り巻く厳しい安全保障環境」などと言って説明しても国民にとって「自分ごと」になりにくい。それよりも後に控
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