副大臣・政務官、女性ゼロ 「メディアは騒ぐかも」 驚きの適材適所
岸田文雄内閣は9月の内閣改造で、最多タイ5人の女性閣僚を起用した一方、副大臣・政務官は初めての「女性ゼロ」でした。ジェンダーギャップ指数(2023年)で、146カ国のうち125位と低迷する日本。国政における女性登用について、どう考えますか。
《取材後記》女性を起用しなかった理由は
54人のなかに女性が一人もいないなんて――。9月15日朝、同僚が事前に入手した新任の副大臣と政務官の名簿をみて、驚いた。正式発表までに差し替えがあるかもしれないと期待したがそのままだった。
発表後に、副大臣と政務官が導入された2001年以降の内閣改造人事の名簿をすべて当たったが、「女性ゼロ」は今回が初めてだった。政権として女性活躍を掲げていながら、なぜこんなことになったのか。再び、驚いた。その後、政務官の一人が女性を巡る問題で辞め、後任に女性が起用されたために「女性イチ」になったものの、当初の判断は覆らない。
女性を起用しなかった理由は、なにか。夕方、そう問われた岸田文雄首相は「適材適所。チームとして人選を行った結果」と述べた。その夜、首相周辺は「女性閣僚は最多タイの5人もいるから」「そもそも自民党には女性議員の数が少ない」と説明した。疑問や違和感をぶつけても「メディアは騒ぐかもしれないけどね」。その温度の低さにがくぜんとした。
思い出したのは、前日14日に見た官房副長官の退任セレモニーの光景だ。官邸職員150人以上がエントランスに集まっていた。花束贈呈役の2人以外の女性職員の姿を探したが、私がいた場所からは見つけることはできなかった。
「永田町は男性社会」と先輩からは聞いていたし、取材先だけでなく朝日新聞も含めて官邸詰めの記者は男性が多い。政治部に配属されて4カ月余りが経ち、男性ばかりの光景もすっかり見慣れたと思っていたが、官邸エントランスで目にした男女比は衝撃だった。
「当たり前」の感覚を持つ人がいない
2日続けて驚きの出来事が続…
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