ガザ情勢、ウクライナはどうすべきだった? 小泉悠氏の視点

有料記事イスラエル・パレスチナ 対立の深層

聞き手・根本晃

 ロシアによるウクライナ侵攻から1年8カ月が経過するなか、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの武力衝突が拡大しています。世界が抱えることになった「新たな戦争」はウクライナの戦況にも影響を与えるのでしょうか。東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠専任講師(ロシア軍事・安全保障)に聞きました。

 ――ハマスとイスラエルの衝突はウクライナ侵攻にどのような影響を与える可能性がありますか。

 米国がウクライナ支援に割くリソースが減少する可能性があり、ウクライナにとっては頭の痛い問題です。ただ、これに関しては、米国がウクライナ支援を予算化できない状況が続いていたなか、バイデン大統領はイスラエルとウクライナ支援を抱き合わせた予算案を議会に求めると発表しました。予算が成立すれば、ウクライナにとっては思わぬ好材料になるかもしれません。

 ――ハマスの越境攻撃を受けて米欧がイスラエル支持をいち早く打ち出すなか、ゼレンスキー氏も攻撃の当日にイスラエルの自衛権を支持する声明を出しました。

「ウクライナ支援の根拠、失う可能性」

 ユダヤ系のゼレンスキー大統…

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この記事を書いた人
根本晃
イスタンブール支局長|中東・欧州担当
専門・関心分野
国際政治、トルコ、ガザ、ウクライナ、語学
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    マライ・メントライン
    (よろず物書き業・翻訳家)
    2023年10月27日9時29分 投稿
    【視点】

    小泉氏の見解に端的に表れているように、特に国際問題の場合、ある事象の背景には驚くほど多面的な力学が蠢いている。「風が吹けば桶屋が儲かる」的な、一見それとはわからないつながりや因縁が数十年、数百年単位で潜んでいる。 そういう談話を「ああ、な

    …続きを読む
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    パトリック・ハーラン
    (お笑い芸人・タレント)
    2023年10月30日7時27分 投稿
    【視点】

    小泉先生の分析とマライさんの指摘はどちらもいたってわかりやすくて頷くしかない。  そこでマライさんの視点にぜひアメリカの事情を加えさせていただきたい。欧州のニュースはよくチェックするが、報道の事情にはそこまで詳しくない。一方、アメリカの報

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