ガザ情勢、ウクライナはどうすべきだった? 小泉悠氏の視点
ロシアによるウクライナ侵攻から1年8カ月が経過するなか、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの武力衝突が拡大しています。世界が抱えることになった「新たな戦争」はウクライナの戦況にも影響を与えるのでしょうか。東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠専任講師(ロシア軍事・安全保障)に聞きました。
――ハマスとイスラエルの衝突はウクライナ侵攻にどのような影響を与える可能性がありますか。
米国がウクライナ支援に割くリソースが減少する可能性があり、ウクライナにとっては頭の痛い問題です。ただ、これに関しては、米国がウクライナ支援を予算化できない状況が続いていたなか、バイデン大統領はイスラエルとウクライナ支援を抱き合わせた予算案を議会に求めると発表しました。予算が成立すれば、ウクライナにとっては思わぬ好材料になるかもしれません。
――ハマスの越境攻撃を受けて米欧がイスラエル支持をいち早く打ち出すなか、ゼレンスキー氏も攻撃の当日にイスラエルの自衛権を支持する声明を出しました。
「ウクライナ支援の根拠、失う可能性」
ユダヤ系のゼレンスキー大統…
ウクライナ情勢 最新ニュース
ロシアのウクライナ侵攻に関する最新のニュース、国際社会の動向、経済への影響などを、わかりやすくお伝えします。[もっと見る]