中国、李尚福国防相を解任 消息絶ち2カ月、秦剛外相に続く異例事態

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畑宗太郎

 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は24日、李尚福(リーシャンフー)国務委員兼国防相(65)の職を解くとの主席令を出した。7月に外相職を解任された秦剛(チンカン)氏の国務委員の職も解いた。中国の外交・防衛で「顔役」の重責を担う両省のトップが相次いで解任される極めて異例の事態となった。

 国営中央テレビが24日夜、伝えた。李氏が中央軍事委員会の委員から外れることも決まった。後任の国防相は発表されていない。李氏は、8月29日に北京で開かれた国際会議に出席したのを最後に、動静が途絶えていた。

 解任理由は発表されていないが、ロイター通信は9月、李氏が昨年までトップを務めた軍の調達部門による装備品の購入にからむ疑惑で捜査を受けていると報じた。

 李氏は今年3月に国防相に就任してから、わずか半年余りでの解任となる。軍の指揮権は習氏がトップを務める中央軍事委員会にあるため、当面の国防政策に与える直接的な影響は限定的とみられる。ただ、政府の要職である国防相が外相に続いて解任されるのは、3期目に入った習体制のひずみを示しているとの見方も少なくない。

軍事外交の「顔」だった李氏に何が

 李氏は1982年に入隊。宇…

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