第2回トランプ氏が生んだバイデン氏流「米国第一」 政権の頭脳の挫折とは
経済、外交、安全保障に通暁し、バイデン米政権で最重要の「頭脳」といえる存在が、ジェイク・サリバン大統領補佐官だ。そのサリバン氏が、自由化偏重の政策路線から決別する「新ワシントン・コンセンサス」を打ち出した背景には、苦い挫折がある。2016年の大統領選で喫したトランプ氏への敗北だ。
サリバン氏は名門米イエール大学や英オックスフォード大院で学んだ後、08年の大統領選で、オバマ大統領と民主党候補者の座を争ったヒラリー・クリントン氏の選挙スタッフになった。クリントン氏がオバマ政権の国務長官に就くと、若くして長官の副補佐官や国務省の政策企画本部長などの要職を歴任。クリントン氏とともに111カ国を訪問し、イラン核合意や12年のガザ停戦合意などで活躍した。クリントン氏の長官退任後も、バイデン副大統領(当時)の補佐官として外交・安全保障に携わった。
【連載】アメリカ大統領選2024 覇者の焦り
来年に大統領選を控えるなか、混迷をきわめる世界と向き合わなければならない米国。外交を動かす底流となってきたのが、冷戦終結後に手にした覇権が揺らいでいるという「焦り」の感覚です。その実像を描きます。
絵に描いたような政策エリートの道を歩んだサリバン氏は、16年、民主党の大統領候補となったクリントン氏の腹心として選挙戦を担った。そこで目の当たりにしたのが、共和党候補のトランプ氏の台頭だった。
■大統領選で味わった敗北、サ…
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アメリカ大統領選挙2024
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