「障害者の体は自由」ポリオで全身まひの女性、芸術集団率いて40年
脳性まひや手足のないパフォーマーが舞台に転がり、はいつくばり、身体をそらせ、ねじり、揺らす。「ぶざま」とも見られる動作で、既存の美意識や価値観、人間観を覆したいと公演を続けてきた。
身体障がい者の身体表現を芸術として展開する集団「態変」。今年で創立40年になる集団を主宰する金滿里(キム・マンリ)さんは「障がい者の身体は健常者より自由です」と語る。
40周年記念公演が10月27~29日、大阪のABCホールである。問い合わせは「態変」(06・6320・0344、taihen.japan@gmail.com)。
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金さんは3歳の時にポリオにかかり、全身まひの重度障がい者となった。7歳から約10年間、大阪市内の障がい者施設で暮らした。時代は高度成長期。職員や先生ら大人たちは、施設で暮らす子どもたちに歩行や箸の使い方など健常者にどれだけ近づけるかを求め、その遠近で障がいが「重い」か「軽い」かを判断し、評価した。金さん自身、歩くことが必ずしも良いこととも思っていないのに、歩行の訓練を迫られることが苦痛だった。
大人の健常者が「何もわかっていない」と見ている障がいの重い子どもが、実は周囲をよく観察し、もの知りで豊かな発想をすることに気づくこともあった。
「健常者と障がい者では不自由観が違う。健常者から見れば、できることを前提にしているから、障がい者は不自由だと思う。でも、はじめからできない障がい者は、不自由とは感じていない。空を飛べないことを不自由とは思わないでしょ」
施設で何かをサポートしても…
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