10年続く弁護士による「いじめ予防授業」 深刻化を防ぐ方法とは

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植松佳香

 いじめ防止対策推進法が10年前に施行されて以来、学校で「いじめ予防授業」を展開している弁護士グループがある。いじめに気づくことができ、解決に向けて動ける生徒を増やし、いじめの深刻化を防ぐことを目指している。

 東京都中野区の私立・大妻中野中学校で6月、1年生を対象に、いじめ予防授業が行われた。先生役はNPO法人「ストップいじめ!ナビ」で活動する弁護士たちだ。

 授業は中学3年間で計3~4回受けてもらって完結する。この日はその初回。実際に起こりそうな事例を元に議論した。

 事例は女子5人の仲良しグループの間でDVDの貸し借りをめぐって起きたもので、こんな設定だ。

 《AさんがBさんからDVDを借りた。Aさんは返却に時間がかかり、返したDVDには傷がついていた。Bさんは怒ってAさん以外の3人にこの話をし、次第に4人でAさんと距離を置き、仲間はずれにするようになった。孤立したAさんは居場所がなくなりつらく、学校に行きたくないと思うようになった》

 授業で誰が悪いのかを議論すると、全員にそれぞれ悪いところがあるという意見が多数を占めた。一方で、これがいじめに当たるかどうかの議論では意見が割れた。

 いじめだと思わない人からは…

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この記事を書いた人
植松佳香
東京社会部|教育担当
専門・関心分野
子ども、教育、労働、国際関係