岸田首相の身内びいき 経済学者が語る「縁故主義」と民主主義の危機
聞き手 編集委員・豊秀一
岸田文雄首相の長男や親族らによる昨年末の首相公邸での「忘年会」。安倍政権下での森友・加計学園問題。東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件……。汚職の構造を研究する経済学者、溝口哲郎・高崎経済大学教授は、一連の問題の背景には「縁故主義」があるという。どういうことなのか、話を聞いた。
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――そもそも、縁故主義とはどういうことなのでしょう。
「血縁や縁戚などによってつながる人を、そうでない人よりも優遇する考え方です。血縁でつながった人でないと信用できない、という発想がもともとあります。世界史的には、中世のカトリック教会で世俗的権力を持った高位聖職者が、後継者に自分の息子をネポス(甥(おい))と称し、登用したことから始まったと言われています。縁故主義が『ネポティズム』と言われるようになったゆえんです」
冷戦後の世界、強化された縁故主義
「具体的には、政治家などが…
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