「史上最も暑かった」今年の夏、エルニーニョ影響 NASA分析

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ワシントン=合田禄
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 米航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙研究所は14日、今年6~8月の世界の気温がこれまでの最高よりも0・23度高かったと発表した。北半球では史上最も暑い夏となった。1951~80年を基準として比べると、1・2度高かったという。

 NASAのネルソン長官は14日の声明で、「2023年夏の記録的な気温は、現実に悲惨な結果をもたらしている」と指摘。アリゾナ州など米国全土のうだるような気温、カナダ山火事、欧州やアジアでの大洪水異常気象の例として挙げ、「気候変動の影響は私たちの地球と将来の世代に対する脅威だ」と訴えた。

 NASAは、夏がこれまでよりも暑くなっているのは長期的な傾向だとも指摘。NASAや米海洋大気局(NOAA)などの分析で、この温暖化の傾向は主に人為的な温室効果ガスの排出によって引き起こされているとしている。

 今夏が史上最高だった理由について、NASAジェット推進研究所(JPL)の海洋学者、ジョシュ・ウィリス博士は「(太平洋の東側の海面水温が平年よりも高くなる)『エルニーニョ現象』の再来もあり、海面水温が異常に高かったことが今夏の記録的な暑さに大きく影響した」としている。

 ウィリス氏らは、24年2~…

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この記事を書いた人
合田禄
アメリカ総局|科学・米国政治担当
専門・関心分野
科学、医療、気候変動、宇宙開発