モロッコ地震、「命綱」になった動物たち 車通れぬ険しい山道で活躍

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モロッコ中部ハウズ州=高野裕介

 北アフリカのモロッコ中部で8日夜に発生した地震は、山岳地帯に被害が集中した。点在する小さな村々へ続く山道を大きな岩や土砂がふさいで車が通れず、支援物資の運搬や救助隊の到着に影響が出た。そんな場所で、ある動物が「命綱」になっていた。

 観光都市マラケシュからアトラス山脈の村々へとつながる山道。壮大な風景が広がるが、時折、道路の端が谷底へ崩れ落ちそうな場所もある。地震の際に山の上から落ちてきた岩などを重機で除去する作業が続いているため、渋滞が頻繁に起きている。

 「後ろに下がって!」

 記者が乗る車が渋滞で止まっていると、後ろから走ってきた人が焦った表情で駆け寄ってきた。上から岩が落ちてきそうだという。

 急いで車をバックさせ、安全な場所で待機した。待っている間、車から降りてきた人たちは不安そうに山の上に目をやっていた。

 地震発生から4日が経ったが、こうした状況が支援物資の不足や捜索隊到着の遅れを招いている。孤立した村なら、なおさらだ。

車が通れない山道で住民の足になっているのは……

 最も多くの死者が出たとされ…

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この記事を書いた人
高野裕介
国際報道部次長|欧州、中東
専門・関心分野
中東、紛争、外交、国際政治