プーチン氏、30時間の休戦宣言 19日夕から 実効性は不透明

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 ロシアのプーチン大統領は19日、モスクワ時間の同日午後6時(日本時間20日午前0時)から21日午前0時までの30時間、全ての戦闘行為を停止すると宣言した。ロシア大統領府が伝えた。20日はロシア正教会のイースター(復活祭)にあたり、早期停戦を目指すトランプ米大統領らに平和的な姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。

 ゲラシモフ軍参謀総長から戦況の報告を受けた際に話した。「ウクライナ側も追随すると考える」としながらも、「休戦違反や攻撃に対して反撃する準備が必要だ」と強調した。

 突然の休戦案についてウクライナ側との協議はしていないとみられる。ウクライナ側にはロシアへの不信感が根強く、実現するかは不透明だ。ウクライナのゼレンスキー大統領はプーチン氏の表明直後、ドローン無人機)が飛来したとX(旧ツイッター)で指摘。プーチン氏の言う「休戦」の発効前だったが、「我々の空にいるドローンが、プーチンのイースターと人命に対する真の態度を明らかにしている」と訴えた。

 トランプ氏は今月18日、停戦に向けて両国が協力しなければ、仲介をやめると示唆していた。プーチン氏が休戦を宣言したのは、停戦が実現しない責任をウクライナ側に押しつけるためとの見方も出そうだ。

 プーチン氏は2023年1月にも、ロシア正教会のクリスマスに合わせて休戦を提案したが、ウクライナ側は休戦期間中にロシアの攻撃があったと批判していた。

 ウクライナ情勢をめぐっては、トランプ氏が今年2月にプーチン氏と電話協議し、停戦に向けた交渉開始で合意。3月にはエネルギー施設への攻撃停止について双方の合意をとりつけたとした。だが、双方が攻撃が続いていると相手側を非難している。

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