「モリカケで攻撃される」安倍氏が避けた国会 最高裁「召集は義務」
安倍晋三内閣が、憲法が定める国会召集要求に長期間応じなかったことは違憲かどうか。最高裁はその判断には踏み込まなかったが、内閣が召集の「義務」を負うと判決文に記された。原告側は「政府への牽制(けんせい)になる」と評価。野党からは早期の法整備を求める声が上がった。
「安倍氏が臨時国会の召集要求を無視し、召集した瞬間に解散した乱暴なことに、厳しい批判が示された」。立憲民主党の岡田克也幹事長は12日の会見で最高裁の判断をこう評価した。宇賀克也判事が反対意見で、「内閣は、合理的期間内にその召集を決定する法的義務を負うことに異論はない」と指摘したことを踏まえたものだ。
立憲は昨秋の臨時国会で、召集要求から20日以内に国会を開くことを内閣に義務づける国会法改正案を、日本維新の会などとともに共同提出している。岡田氏はこの日、改めて改正案の早期成立を訴えた。
訴訟のきっかけは、安倍氏の森友・加計学園問題が取りざたされていた2017年6月の臨時国会の召集要求だ。野党の求めを安倍内閣は約3カ月間放置。さらに召集直後に衆院を解散した。
続く菅内閣では、新型コロナウイルス対策予算を審議するため、野党が国会召集を求めたが、開かれたのは80日後。しかも菅氏が退陣を決め、首相指名選挙をするために召集したものだった。岸田内閣でも世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治の関係、安倍氏の国葬などの課題が重なり、46日間放置された。
なぜ「放置」が可能なのか。憲法53条には具体的な期限が書かれておらず、内閣にその判断が委ねられているためで、17年9月、当時の菅義偉官房長官は「いつ召集しなければならないというような期日について(憲法に)規定はない」と強調した。
野党は、こうした憲法軽視とも取れる姿勢を「都合が悪いことを国会で取り上げられたくないという党利党略としかいえない態度」(共産党の小池晃書記局長)と指摘する。
実際、今年2月に発売された…
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