北大阪急行と阪急千里線が交差? マニアも驚く貴重な写真展始まる

滝坪潤一
[PR]

 今は北摂地域を南北に並行して走る北大阪急行(北急)と阪急千里線が立体交差している写真に、桃山台大阪府吹田市)付近で皇族向けの貴賓列車が試運転する写真もある――。

 1970年の大阪万博当時の交通機関を写真や模型で振り返る企画展が5日、吹田市の阪急南千里駅前にある市立千里ニュータウン情報館で始まった。

 ニュータウンに関する展示をしてもらい、見に来た人との間に交流を生み出す同館の企画「千里こだわりギャラリー」の11回目。

 今回の主催は「昔の吹田をなつかしむ同好会」(岡田雅文代表)。この会に所属する福本佳司さん(72)は、69年に北急に入社し、翌年開催の万博の観客輸送のために設立された北急に建設時から携わった。

 企画展では、福本さんが半世紀ほど前に撮影した写真などを公開している。

 当時は大阪モノレールはなく、万博会場へのアクセスの中心は北急だった。現在ある南北線から桃山台駅の北で「会場線」が東に分岐し、万博期間中のみ設置された万国博中央口駅まで観客を輸送。万博閉幕後に会場線は廃線となった。

 企画展では、会場線と阪急千里線の立体交差や、千里線に臨時設置された万国博西口駅での試運転の様子など、珍しい写真が展示されている。大阪、京都、神戸の街をかつて走っていた市電の模型や、万博当時の記念切符などもある。

 会場を訪れていた神戸市灘区の会社員鈴木正明さん(57)は大の鉄道ファン。「雑誌でも見たことがない写真が展示されている。特に貴賓列車の試運転は初めて見た」と話していた。

 企画展は10月27日まで。(滝坪潤一)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません