奈良県や39市町村、経済団体などでつくる「リニア中央新幹線建設促進県期成同盟会」(会長・山下真知事)の総会が6日、奈良市内で開かれ、県区間を含む名古屋以西での早期着工を目指すと決議した。事業主体のJR東海も、県内での地質調査を今年度にも始める意向を明らかにした。

 総会では、名古屋―大阪間の環境影響評価に今年から着手することや、中間駅として計画されている「奈良市付近駅」の位置について交通結節性や地域の発展可能性を考慮するよう求めていくことも決議された。

 「奈良市付近駅」を巡っては、これまでに複数の自治体から地元誘致の動きがあったが、県は昨年度、県内3カ所を有力候補地として絞り、JR東海や国に打診している。具体的には、京都府との府県境にあるJR平城山駅付近(奈良市)▽八条・大安寺周辺のJR新駅付近(同市)▽JR大和路線と近鉄橿原線が交差する付近(大和郡山市)の3カ所だ。

 総会に出席したJR東海の執行役員は、候補地3カ所を中心に、今年度から地質調査をする方針を明らかにし、「現実的にどのようなものができるか、検討し始めている」と話した。

 県はリニア開業に併せて、「奈良市付近駅」から関西国際空港に直結する「関空接続線」構想も目指していたが、事業見直しを進める山下知事が、費用対効果を理由に今年度の関連予算の執行を停止している。(阪田隼人)

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