飛鳥時代のガラス玉か 飛鳥寺塔跡の舎利容器からドーナツ形の物質
清水謙司
日本初の本格的寺院とされる飛鳥寺(奈良県明日香村)の塔跡で出土した「舎利容器」に、ドーナツ形の物質が確認された。調査した奈良文化財研究所(奈文研)は、周辺で出土した飛鳥時代のものとされるガラス玉と似た形と指摘する。奈文研の「紀要2023」で報告された。
舎利容器は、釈迦(しゃか)の骨(仏舎利)に見立てたものを納める器。飛鳥寺の塔は1196年に焼失し、古文書によると、翌97年に数百余粒の舎利や金銀器物などが掘りだされたという。今回の舎利容器はそれ以降に新たに作られ、塔があった場所に埋納されたとみられる。
外観は卵形で金銅製(高さ3・3センチ、最大径2・8センチ、重さ約19グラム)。1950年代の調査で見つかっていたが、さびつくなどして中身がよく分かっていなかった。奈文研の研究チームが今回、X線CTスキャンによる調査をしたところ、直接見ることができない内部に、直径2~3ミリの物質が複数あるのが確認された。
奈文研も「予想外」
50年代の調査では、塔心礎…
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