第20回「恋しい。でも今は無理」 性的少数者が日本を出てカナダを選ぶ理由
わたしが日本を出た理由 カナダ編④
同性婚を早くから認めるなど、性的少数者が暮らしやすいとされるのもカナダの特徴だ。日本社会に生きづらさを感じ、カナダへと渡った日本人もいる。
修平さん(35)も、そんな一人だ。京都府内の大学を卒業後、20代半ばで東京に移り、編集プロダクションの仕事を始めた。旅行やグルメなどエンタメ系雑誌や、企業の社内報の編集などを手がけてきた。会社ではゲイだとは明かしていなかった。
周りには、ゲイをジョークの対象にする人や、「結婚しているの?」と遠慮なく聞いてくる人がいた。仕事の接待で、キャバクラに連れて行かれるのも苦痛だった。
「まるでストレート(異性愛者)だけで回っている世界。ゲイは存在しないものとして扱われている」と感じていた。
カナダ社会の「新鮮さ」
2016年、キューバへの旅の途中で1~2週間ほどカナダに滞在して驚いた。街中でゲイカップルが手をつないで歩いていた。
「新鮮だった。ここなら住めると感じた」。19年、カナダでの生活を始めた。
地元のレストランやウーバーの配達員として働くなどして食いつなぎ、日本人向けのウェブメディアのライターの仕事を見つけた。永住権の取得を念頭に、カレッジ(専門学校)にも通いはじめた。
そこも日本とは雰囲気が違っ…
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- 【視点】
この記事で取り上げられている修平さんという方にとって生きやすい場所があり、本当に良かった。性的志向の如何に関わらず全ての人が尊重されるのは、本来当然あるべき社会の姿である。 プーチンがウクライナ侵攻を開始し動員を強めるなか、ロシアから
…続きを読む